百歳にもなると、人間は愛や友情に頼らずにすむ。さまざまな災厄や不本意な死に怯えることもない。芸術や、哲学や、数学のいずれかに精進したり、独りでチェスの勝負を楽しんだりする。その気になったら自殺する。人間が己れの生のあるじならば、死についても同じである。
「疲れた男のユートピア」(J.L.ボルヘス著/鼓直訳)より

2018年8月7日火曜日

文法と論理学

「私は常に文法や論理学を擁護する人たちを尊敬してきました。五十年後になったら分かるのです。そうした人たちが大いなる危険を回避してくれたことが。」
「失われた時を求めて」(M. プルースト著/鈴木道彦訳/集英社文庫)、第 12 巻(第七篇「見出された時」)よりシャルリュス男爵の言葉