百歳にもなると、人間は愛や友情に頼らずにすむ。さまざまな災厄や不本意な死に怯えることもない。芸術や、哲学や、数学のいずれかに精進したり、独りでチェスの勝負を楽しんだりする。その気になったら自殺する。人間が己れの生のあるじならば、死についても同じである。
「疲れた男のユートピア」(J.L.ボルヘス著/鼓直訳)より

2019年6月20日木曜日

作品番号2「モンドリアン・ブギウギ」

第 2 作目は編み込みに挑戦してみた。デザインはモンドリアンの「ブロードウェイ・ブギウギ」(1943)を胸に編み込みで再現したもの。背中側にもコンポジション作品を入れようかとも思ったが、うるさい感じになりそうなので、デザイン案の段階で却下。制作期間は丁度二ヶ月。毛糸は並太アクリルで、6 色使用。

もとの「ブロードウェイ・ブギウギ」はほとんど縦横が等間隔の直線で描かれているように見えてあちこち微妙にずれている。そこで、絵のコピー画像の上に縦横に線を引いて色の場所を微調整してから、編み込みのデザイン画に起こした。

縦横に平行な線しかないので初めての編み込みに丁度良いかと思ったのだが、数目毎や時には一目毎に毛糸を変えるような箇所が非常に多くて難しい。結果、どう考えても素人向きではないデザインだとすぐに悟ったが、編み始めてしまった以上、最後まで一応はやり遂げた。

そのおかげかどうか、並太の毛糸で編める程度の編み込みなら大抵のものはできそう、という自信を得た。おそらく次回は、この半分くらいの細い毛糸で、もっと繊細なデザインに挑戦したい。絵柄としては和風がいいかな。