百歳にもなると、人間は愛や友情に頼らずにすむ。さまざまな災厄や不本意な死に怯えることもない。芸術や、哲学や、数学のいずれかに精進したり、独りでチェスの勝負を楽しんだりする。その気になったら自殺する。人間が己れの生のあるじならば、死についても同じである。
「疲れた男のユートピア」(J.L.ボルヘス著/鼓直訳)より

2020年1月27日月曜日

作品番号3「これはパイプではない」

第3作のテーマは「文字」の編み込み。マグリットの「イメージの裏切り」をデザイン化して、パイプの絵の部分を前身頃に、"Ceci n'est pas une pipe" の文章を袖に入れてみた。後身頃は無地だが、ベージュ、焦げ茶、黒、水色の横縞模様。毛糸は並太アクリル、6 色使用。特に気を使ったのは、文字フォントのデザイン。オリジナルの筆記体的な文字を粗い目でもなんとか再現することを目指した。

次は、もっと目を細かくして本格的な絵に見えるような編み込みに向かうか、もしくは、ほとんど無地でも丁寧に編んでセーターとしての品質向上を目指すか、どちらかを考えたい。