百歳にもなると、人間は愛や友情に頼らずにすむ。さまざまな災厄や不本意な死に怯えることもない。芸術や、哲学や、数学のいずれかに精進したり、独りでチェスの勝負を楽しんだりする。その気になったら自殺する。人間が己れの生のあるじならば、死についても同じである。
「疲れた男のユートピア」(J.L.ボルヘス著/鼓直訳)より

2017年6月18日日曜日

「哀れなベルギー」

万事が猿まねだ。
あらゆる分野での「日本人」の驚くべき思いあがり。
服従と付和雷同の気質。
かくてこの国では、弱者に対する「いじめ」ほど、流行っていて受けもよく、まっとうなことはないのである。
「日本」国民以上に付和雷同向きになっている国民はあるまい。この国では集団でものを考え、集団で娯楽を楽しみ、集団で笑う。「日本人」たちは、ひとつの意見をみつけだすために集団を結成する。だから、自分たちと違った意見を持つ人々に対して、彼らほど驚きや軽蔑を感じる者はいないだろう。
みんなが商人だ。
人と一致しないことは大きな罪だ。
「ダンディ」(R.ケンプ著/桜井哲夫訳/講談社現代新書)、桜井哲夫「プロローグのプロローグ」より